導入事例9

新地町立尚英中学校

所在地:福島県相馬郡新地町谷地小屋字愛宕38
URL:https://sukagawa.fcs.ed.jp/尚栄中学校
新地町立尚英中学校は福島県の北部に位置し、町の東部は太平洋に面しており、学校の校舎からは壮大な水平線を眺めることのできる、景色の素晴らしい学校です。

今回、新地町全体のICT活用に取り組まれている新地町教育委員会の佐藤指導主事、そして実際に授業で活用されている尚英中学校の安良校長先生と橘先生、スクールエンジニア検定に合格した4名の生徒にお話を伺いました。

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学校現場でのGIGAスクール構想の課題とは

Q1.GIGAスクール構想が始まり、校内での取り組みの中で課題に感じる点はありますか?

(安良校長)
やはり、教員間でのICTに対する知識や技能の差を感じています。特に、新任の先生や他の市町村から赴任された先生と、新地町の学校で数年教員を務めている先生とでは顕著に表れています。

新地町では教員に対しての研修会や、常駐しているICT支援員との交流を積極的に行っていることもあり、指導のレベルが日々向上しています。他の市町村でそこまでやっていることは少なく、本校に赴任したほとんどの先生は最初は敬遠しがちです。ICT活用の有用性を実感してもらうためにも、研修会や各教員間での交流などで、手厚くサポートしていかなければと感じています。

Q2.尚英中学校の特徴などはありますか?

(安良校長)
比較的、端末を自由に使える環境にある点かなと思います。
本校では端末を教室の入り口や携帯用バッグに入れて机の横にかけているので、生徒たちは休み時間や放課後なども自由に使えます。また、常駐している2名のICT支援員から、いつでもICTの活用に関して適切なアドバイスをいただけるので、授業での活用は各段にしやすくなりました。

活用方法や成果

Q3. 授業の中で、どのようにエンサップや端末を活用していますか?

(橘先生)
エンサップ自体での情報モラルの学習はもちろんなのですが、ふとした用語の説明などにも使えるなと感じていました。
例えば「契約」ですね。子供にとっては結構難しい事なのですがエンサップの動画だとわかりやすかったようです。教科書に加えて見せる資料として使っています。

端末の活用方法ですが、美術の授業で絵画資料などを端末で見せると、生徒たちは拡大するなどして細部まで観察します。そういった点で鑑賞に端末を使うのはとても便利に感じています。  

Q4. エンサップの導入前後での、生徒の変化などはありましたか?

(橘先生)
専門的な知見からの良質な教材であってほしいと感じます。
私たち教員も、ある程度情報やモラルについて指導しますが、よくわかっていない部分もあります。エンサップを使えば指導しやすく、かつ専門家が作成した的確な内容を勉強することができるので嬉しいですね。生徒はもちろん教員にもわかりやすく、詳しく知れる教材であってほしいと思います。

また、実社会と関連した内容を組み込んでくれると嬉しいです。例えば、マナーを守ったメールの出し方や、実際の仕事ではどれくらい著作権が関係してくるのかなど、エンサップで学んだことが将来どこで活用できるのかなども知れるといいですね。

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町全体でのICTに対する取り組み

Q5. 今後、新地町としてICT教育に対して求めていることは何ですか?

(指導主事 佐藤先生)
やはり、町の将来を考えた時に未来の担い手となる「人材育成」は大きな課題です。新地町が教育の重点として取り組んできたICT教育はその核となるものです。GIGAスクール構想が全国で始まりましたが、本町は2011年よりICT活用教育に先進的に取り組んで来た経緯があります。その経験値を活かして、「新地町としてできること」を今も模索中です。

町内には小学校3校、中学校1校の4校があり、町ICT活用協議会を主軸に各校の実態に応じた研究を推進しています。その成果については、「新地町ICT活用発表会」として毎年11月に研究公開し、参加者の皆さんとともによりよいICT活用教育について追究する機会としています。

研究主題として位置づけている情報活用能力育成に関わる学習を進める上で、今回、情報モラルを学ぶ一つの手立てとして、エンサップを活用させていただきました。内容的にも多岐にわたり、情報モラルの内容以外にもネットワークの特性や情報機器の特徴、情報技術等の概要にも触れることができました。これは、中高での情報学習のプレ学習にもなります。このような豊かなICT環境で学んだその先に、地域の担い手として豊かに成長してくれることを期待しています。
また、社会の大きなニーズであるデジタル人材としてキャリア形成に結びつく子どもがいればそれもうれしいことだと考えています。

Q6. エンサップが授業内にどのような効果をもたらしているとお考えですか?

(指導主事 佐藤先生)
情報モラルは、繰り返し学ぶ必要があると考えています。様々な授業に絡めてエンサップの動画等を活用することで、先生方にとっては学習する上で必要な情報モラルスキルを効果的に確認させることができます。生徒にとっては先生が話すばかりの授業にならず意欲的に参加します。
視覚からの情報は記憶に残るので、今日の授業場面でも動画やキャラクターが出てくると「あ、情報の勉強だ!」「モラルの内容だ!」と今から何をするかを理解していました。

説明の簡略化も教員にとっては指導のスリム化につながっていると思います。内容的にも、動画の時間が長すぎないので、授業の中に組み込んで活用しやすいと感じました。よい効果としては、1人1台端末を活用して授業外でもサイトにアクセスし個別に視聴したり、モラル検定に取り組んだりする生徒が見られたことです。子ども達が自分のペースで学んでいることに、情報モラルの学びがより身近になってきていると実感しています。  

Q7. 今後、新地町ではどのような取組をしていきたいですか。

(指導主事 佐藤先生)
予測不可能な社会を生き抜くために 、学習の基盤となる資質能力として、情報モラルを含めた情報活用能力を育んでいくことが必要です。いかに自分の事として考えさせられるか、実践力を身につけられるかが問われています。

新地町では、情報活用能力育成年間計画を策定し、様々な教科等に意図的に位置づけて指導に当たっています。課題を明確にして、自分はどうなのかを考え、友達と意見交流しながら探究していく、主体的な学習がICTによって活発に行われ、自分の将来に必要な情報モラルのスキルを身につけていって欲しいと願っています。

例えば、先生方と確認していることの一つに、端末活用について教員をはじめ大人は制限しすぎない、教えこみすぎないということです。生徒が振り返って失敗した使い方をしたことがあれば、なぜ間違えたのか、何が悪かったのかをエンサップのような資料や具体的事例をもとに考えます。失敗した後、どう行動すればよいのかという対応力も必要な力です。
トライアンドエラーを繰り返しながら、ただ教えられるのではなく、家族も巻き込みながら自分で思考し、よりよい解決策を実践できる、デジタル社会を生き抜く力としての情報モラルスキルを身につけるための指導・取組を今後も行っていきたいと考えています。


生徒インタビュー

Q8.  エンサップを使ってみた感想をおしえてください。

(男子生徒)
動画がとてもわかりやすかったです。何となく知っていた部分を詳しく理解することができました。

(女子生徒)
自分ひとりではわからなかったことや、理解できなかったこともエンサップはまとめて動画にしているので、自分で知らなかった部分を選んで勉強することができました。  

Q9. スクールエンジニア検定は難しかったですか?

(男子生徒)
正直簡単でした。動画を見なくても答えることができる問題もあったので、もう少し、動画を詳しく見ないと答えられないような難易度の高い問題があったほうがよいと思います。そうすれば、自分でもっと勉強しようと思えるので。

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小学生・中学生が楽しくICTについて学べるように、エンサップのコンテンツ教科を図っていきます。
本日は貴重なお話をありがとうございました。

※掲載内容は、2023年8月時点のものです。